現実社会に適応できない脳

Categories: ITtimes, ITなニュース  2011/9/5 月曜日

ポップコーン脳」という印象的な命名で注目を浴びたネット弊害の一種に関して、識者たちからその危険性を指摘する声が次々に寄せられています。

要約すると、ネット環境に適応した脳は現実社会には適応できなくなるというものです。

キーワードとなっているのは「マルチタスク」。ネットでは様々な作業が同時進行します。このマルチタスクの刺激に慣れてしまうと、ペースの遅い現実社会に適応するのが難しくなるそうです。

一人の心理学者は、マルチタスクの習慣がある人は、顔写真から感情を見極めたり、物語から登場人物の感情を読み取る力が弱い傾向にあることが実験により明らかになったと述べています。そして結論として、インターネットのマルチタスクは人間の感情の読み取り方を忘れさせてしまう可能性があると指摘しています。

ネット依存症に取り組むカウンセラーは、人間の脳は手っ取り早く得られる快感と迅速性を求める仕組みになっていると述べ、マルチタスクによる現実世界との乖離に警笛を鳴らしています。

中国の研究チームは、MRI調査で脳の構造自体が物理的な変化を起こしていることが分かったと報告しています。

もちろん全ての識者がそれに同調しているわけではありませんし、論点や因果関係を慎重に見極める必要があるのかもしれません。

○○脳という言葉が広まったのは今回が初めてではなく、例えばゲーム脳やテレビ脳といった言葉が世間を騒がせてきました。ゲームやテレビが好きな側から見れば、仮定や可能性の話でとやかく言われるのはおもしろいものではなく、しかし反論すると「既に依存状態では」などと心配され、なかなかやっかいなテーマです。

今回の件に関しても、「現実社会だってマルチタスクだ」、「偏った意見を無理矢理証明しようとしている」という意見もあります。

私自身は既にポップコーン化している可能性大ですが(笑)、これ以上悪化しないように提案には耳を傾けたいと思います。6つのポイントがあるそうです。

1.ネット利用時間を記録する。

2.ネット利用時間を制限する。

(記録してみるとその量に驚くかも。生活における割合を冷静に考える機会となります。)

3.窓の外を眺める。

4.フリータイムを設ける。

(ネットからの刺激を完全にシャットダウンする。これで精神的な変化が起こるか注意してもいいかもしれません。以前尊敬する先生がゲーム脳についてこう語っていました。結論としてはゲームは学力低下につながりやすい。ゲームでは刺激が受け身になるため、学ぶ楽しみといった積極性が求められるシーンで資質を弱めてしまうことがある。私はゲーム好きでしたが、この言葉は説得力がありました。)

5.電話をかける。

(実際に会話してコミュニケーションを図ることはやはり必要です。)

6.ネット依存症の診断を受ける。

(最近はネット上でアンケート形式の診断を受けることもできます。これをネットでやるのはどうかというのは今は置いといて・・。)

 


Author: Jun
アイティーアシスト代表 ワクワクするようなIT活用をご提案します。

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