GoogleがMotorolaを買収(1)

Categories: ITなニュース  2011/8/22 月曜日

GoogleがMotorola Mobilityを買収すると発表しました。

iPhoneのように、OS、端末、アプリ全てを掌握して垂直統合型ビジネスを展開させる要素が整ったことになり、業界に衝撃が走りました。

しかし今のところGoogleは一貫してそのような意図はないことを強調しています。

例えばGoogleのモバイル責任者は、「われわれのAndroidのビジョンは変わらない。GoogleはAndroidをオープンプラットフォームとして、活力あるオープンソースコミュニティとして運営していく。これまでどおりにAndroidパートナーと協力し、革新的なAndroidデバイスを開発、提供していく」と説明しています。

ペイジCEOは公式Blogの中でAndroidの特許紛争が増加していることから、今回の買収によりGoogleの保有する特許ポートフォリオを強化し、マイクロソフトやアップルからの脅威に対抗すると説明しました。

Androidパートナー(Samsung、ソニー・エリクソン、HTC、LG等)たちは口を揃えて、Androidを守るGoogleの姿勢を歓迎するとのコメントを発表しています。

全体の流れ的に、主に法的な要素が重要視されたということには信憑性があるとは感じますが、業界に根強い懸念があるのも事実で、上記の各社のコメントも表向きあるいは牽制の意味合いが強く、125億ドルもの巨額な買収の真の狙いを見極めようと関係者が神経をとがらせている雰囲気が感じとれます。

Googleと共生するはずが、気付くと生命線を握られていたではしゃれになりません。

日本の携帯市場にはさらに状況を複雑にする要素があります。国内市場で生き残るためには高機能化の道を走り続けなければなりませんでしたが、海外ではそのようなものは求められていなかったため、国内専念の形ができあがってしまいました。

これまでじっとその枠で耐えてきましたがスマートフォンの普及に伴い、高機能ということに価値を見いだし始めた海外市場へ進出するチャンスが巡ってきました。

Googleとの共生が成功への近道かもしれません。しかしGoogleの出方次第では最悪のケースとしてこれまで守り続けた国内市場に深刻なダメージが及ぶことさえ予想されます。

両極端な可能性はGoogleとの距離感を難しくさせています。


Author: Jun
アイティーアシスト代表 ワクワクするようなIT活用をご提案します。

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