直感エンジンと呼ばれるコンピュータ技術があります。
コンピュータは明示的なデータしか扱えませんが、人間にとって重要なものの多くは暗黙的だと言われています。そのあいまいで暗黙的な指示によって、望むとおりにコンピュータを導いていくための技術が直感エンジンです。
例えば、人は即座に動物の顔と人の顔を見分けることができます。これは暗黙の情報によりパターンを認識しているためです。しかしこの暗黙の情報を明示的なデータにするのは難しい（膨大）ため、コンピュータはこの手の認識を苦手としています。
上に上げたのはほんの一例に過ぎませんが、実際には人ははるかに高度な認識を常に行っています。可愛い、美人、綺麗、清楚な雰囲気、格好いい、男らしい、ワイルド・・その他コンピュータにはおよそ判断のつかない認識をいとも簡単に行うことができます。
直感エンジンは、コンピュータと人間がそれぞれの得意分野の能力を結合させる手助けとなるかもしれません。直感エンジンをスタートさせると、出発点とその様々な変異が提示されます。ユーザーが自分の目から見て有望と思われる変化を選択すると、それを基に別の変異をコンピュータが作り出し、ユーザーが満足するまでこれを続けていきます。
写真修正ソフトでの実用が検証されています。
修正したい写真を選ぶと数種類の変異が表示され、好みの変異を選んでいくと徐々に理想に近づくという仕組みです。
さらに直感エンジンに期待されている別の分野は「新しいアイデア」。
コンピュータには暗黙的なものはないという事実をプラスに受け取り、次々に出される変異の中に、斬新さ、新しい方向性を見いだすというわけです。
なかなかおもしろそうな技術だと思いませんか？
