セキュリティ対策の一つの考え方に「サイバー・ノーガード戦法」なるものがあります。
この名前は『あしたのジョー』の矢吹ジョーが使用した戦法に由来しています。無防備状態で相手に打ってかかる(あるいはクロスカウンターを誘うためにわざと挑発する)様子に例えたものです。
もちろん実際にこのような対策方法があるわけではなく、セキュリティ意識に欠ける企業の対応を揶揄する専門用語です。
ネット上では皮肉を込めてこの戦法が絶賛されています。
例えば、「ノーガード戦法は圧倒的に低コストです。対策ソフト、UTM、専門のセキュリティ技術者の人件費、それらが全て不要です。お客様へ被害が及んでも陳謝すれば済みます。頭を下げてもコストは発生しませんし、最悪の場合でも商品券程度のコストで済むものです。時間が経てば世間は騒ぐのに飽き、やがて沈静化するでしょう・・・・。」
もちろんノーガード戦法には致命的な欠陥があります。
それは信用の失墜です。
信用に値札は貼れませんが、企業存続の生命線であることは誰もが認めることです。
しかしセキュリティ対策を値札重視で考えてしまうことがあるのも事実です。
コストを抑えたい一心で、ついつい根拠のない楽観論でセキュリティ対策をおろそかにしてしまう。そんな一発退場のリスクを負ってしまうこともあるのです。
もちろんお金をかけるだけがセキュリティ対策ではありません。工夫すれば低コストで満足のいく効果を得ることができます。
かけがえのない信用を守るために、何か起こってしまう前の今、行動が必要です。