昨今のセキュリティ対策は総合力が注目されています。
トレンドマイクロ社のウイルスバスターを例に挙げます。
最近大きく変化したのはクラウド型になったことです。
1.5秒ごとに新たなウイルスが誕生するといわれる現状に対応するためには、タイムラグなしにPCを守る必要があります。そのためにクラウド型が採用されています。
さらにローカルで管理するパターンファイルは特徴を見分けるためだけにとどめ、細かい審査はクラウドに任せるという方法で大幅な軽量化も果たしています。
これまでは最後の砦としてガチガチに固める方式でしたが、これでは快適さが大幅に失われるため、ユーザーがついてきませんでした。お互いが納得できる線で最大限の効果を狙うという方向に変化しています。
進入を100%防ぐことはできないという前提で、被害を食い止めるという考え方も柔軟に取り入れ、ウイルスによるレジストリやシステムファイルの操作、オンラインの通信等を制限する技術が向上しています。
またこれまでは全て自前で揃える風潮がありましたが、他で一定基準まかなえている機能はそのまま使うようになりました。「ファイアウォールチューナー」という考え方などがその例です。
セキュリティの総合的な対策はウイルスを防ぐことだけではありません。
データを完全に抹消するための「データ消去ツール」が付属されていますし、「オンラインストレージ SafeSync」の日本版を開始するなど多角化しています。
どれも他のサービスを使えば行えることではありましたが、セキュリティ対策の一環として提供されることで、ユーザーの意識も変わってくるかと思います。
守るべきものは何なのか、それを明確にしたバランスの良い対策が求められています。