Windows Vista Service Pack 1では、認証方法が変更されることが決まりました。
変更理由は大きく挙げて2つ
1.海賊版の横行を阻止する
2.海賊版利用者への罰則を見直す(正当なユーザーの不満解消)
Windows Vistaの認証には最低2つの抜け穴が発見されていて、これが海賊版の横行につながっていました。
1つはマザーボードのBIOSとシステムファイルを改変し、プリインストール版として出荷されているOEM版Windowsに見せかける手法、もう1つは、インストールしてからアクティベーションを行なうまでの猶予期間を不正に利用して2099年までアクティベーションを行なわなくて済むようにする手法です。
Windows Vista SP1では、この2つの手法を防ぐ技術が組み込まれました。
もう1つの重要な変更点は、海賊版利用者への罰則見直しです。
これまでは、海賊版防止プログラムによってWindowsが正当に購入されたものではないと判断された場合、料金を支払うまでWindows Vistaの一部機能が使えなくなりました。しかし今回Microsoftは方針を転換し、一部機能の停止という罰則をやめる代わりに、海賊版使用中であることを繰り返し目立つ仕方で通知することしたようです。
かなり目障りなメッセージが頻繁に出現するのは確かにストレスとなるはずですが、全体としては不正ユーザーへの罰則を緩めた形で少し矛盾も感じます。しかしこれには伏線があります。
海賊版防止プログラムは完璧ではなく、例えばパソコンのハードウェアを一部交換しただけでも、不正使用と判断することがあります。そうなるとユーザーにとっては、正当なWindowsを購入しているのにもかかわらず、海賊版を利用しているとみなされ、そのうえ機能の一部まで停止されることになります。これは非常なブーイングをよんでおり、Microsoftも方針転換を迫られたのかもしれません。
海賊版に関してはこれまでもずっとイタチごっごで、今後も、抜け穴発見、修正の繰り返しは続くものと予想されます。
しかし海賊版を使用することには、法的な問題だけでなく、セキュリティ面の危険もありますので、特にビジネス利用のパソコンであれば正規版をお使いになるのが賢明です。