みなさんはパソコンを使っている時に、近くで雷が鳴った場合、どうされていますか?
1・すぐ電源を落とす。
2・そのまま続ける
実はこの両方とも差はありません。ケーブルを通して被害はやってくるからです。パソコンやルータは精密機械である事と電源ケーブルと通信ケーブルの両方がつながっている為、落雷の影響を受けやすく、他の家電より先に壊れる事が多いようです。通常、天災による故障は保障対象外の為、買ってすぐのパソコンでも落雷で動かなくなったらもう諦めるしかありません。ルーターやモデムなどのレンタル機器が落雷で壊れた場合も交換には来てくれますが、定価の金額で弁償させられます。
ですから、雷がゴロゴロなっている状況でパソコンの作業を続ける事はこのリスクを負うことを意味します。
ちなみに弊社の取引先では去年、雷が会社のすぐ隣の空き地に落ちました。ものすごい音でびっくりしたようです。電気が復旧し、調べてみると、サーバとハブが故障していました。外で作業していた人もいた中での落雷でしたが、人的被害はなく被害と言えばこれだけだったので、それだけでもよかったといえばよかったのですが。
雷対策の方法
このような直撃はめったにありませんし、もし雷が直撃した場合、発生する電流、電圧が桁違いに大きい為、対策は事実上不可能なようです。
実際のところ雷被害の主なものは誘電雷が引き起こす電流です。誘電雷とは雷雲に発生した静電エネルギーと対になる地面に誘起される電位差をいうようです。この誘電雷、雷雲が遠ざかるか消滅するまで何度でも電線や通信回線およびアンテナを通して屋外や屋内の設備に侵入します。雷によるパソコンの故障は結構発生しているようです。
よく”可能な限り機器のアース線をアース端子に繋ぐようにしてください”と説明がある事が多いですが、これも完璧ではありません。接地から電流が入り込んで逆流雷サージになってしまうことがあって、アース線につないだものだけが故障する事もあるのです。アースにつないだから安心という事はないようです。遠方に落雷した場合でも、地表面を伝わって雷サージが侵入することがありますので、このあたりは専門の方と相談して対策を練る必要があります。
一般的な対策の範囲としてはサージ対応と書かれた電源タップを使用するのが雷サージ対策としては一般的かと思われます。一般に雷サージ電流の値は、1,000A?10,000Aの間に約99%が含まれると言われているので、ピーク電流が10,000Aあり、難燃剤を使用したしっかりしたものであれば、買ってもよいと思います。こちらも落とし穴があって、ヘルメットと同じで一度でも大電流の雷サージが一度でも流れると特性が失われて、場合によってはそのサージ電流により発火することもあるようです。運用上注意が必要です。また、良質なサージ防止回路は200ジュール以上吸収するので、購入の際はどのくらい仕事をしてくれるのか、このあたりの強度も検討した方がよいでしょう。
もっとも確実な方法は、雷鳴を聞いたら、電化製品と外部をつなぐ電源や通信線などをすべて抜くことです。パソコンの電源を落とすだけだとケーブルを通して基盤を破壊しますので、必ず抜かなくてはなりません。
落雷で気をつけなくてはならない別の分野
しかし、落雷による被害でサージよりも怖いのは停電によるデータ損失です。基盤は替えがききますが、データの替えはききません。ひょっとすると多くの会社はこちらの対策を強化する方が急務かもしれません。サーバは電源断によるデータ損失を防ぐため、必ずUPS(無停電装置)の保護が必要です。
先の雷の直撃を受けた会社と対策を練った結果、それ以降はデータをVPNで結んだ別の場所にバックアップを取るように致しました。ニーズと予算に適した適切なサージ防止は、様々な検討課題があります。アイティーアシストは喜んでお手伝いをいたしますのでよろしければご相談ください。