前回の記事では、GoogleがMotorola買収を足がかりに端末事業に乗り込んでくることへの業界の懸念について取り上げました。
Googleが主張するようにAndroidを守るための買収に過ぎないのであれば、共生を図るパートナー企業にとっては心強い限りですが、「Googleの資金力及び先見の明をもってしても、125億ドルという今回の買収は話が大きすぎる。早期の回収案が見えてこないのが不気味だ。」という意見も根強くあります。
結論として関係者が願う最善は、Googleが端末事業に関心を持たないこと、Motorolaを特別扱いしないこと、といったところでしょうか?
しかし今回の一連の騒動の陰でMotorolaファンはやきもきしています。
125億ドルという金額が巨額なのは間違いありませんが、Motorolaにはそれだけの価値があります。長年にわたって世界の携帯電話端末をリードしてきたMotorolaが持つノウハウは質、量ともに素晴らしく、特許という面だけでも今回はお得な買い物だったという意見もあるほどです。
そんな老舗Motorolaを愛するファンが心配しているのは、ブランドの将来です。
うがった見方かもしれませんが、Googleは自己防衛のためにMotorolaの特許が欲しかったが、Motorolaブランド自体には興味が薄いという印象をうけるわけです。
ITベンチャーが老舗メーカーを軽く扱うケースはこれまで少なくありませんでした。今回そのような事が起きないことをMotorolaファンは強く願っています。
かくいう私もそんなMotorolaファンの一人です。
特にStarTacは傑作でした。アナログ方式世界最小最軽量の肩書きと、そのデザインや使いやすさ、愛着はこれまで所持した携帯の中でナンバー1です。金額もダントツで一番高かったのですが・・(汗)。
使わなくなって10年以上経ちますが、今でも大切に保管しています。久々に引っ張り出してきました。
ちなみにこの頃(正確にはMicroTacの時期)はMotorolaの端末を追い越すことが業界の目標であり、日本でもNTTがムーバシリーズを誕生させた背景として語り継がれています。
バックランプが常時緑色に点滅し、夜は蛍っぽくてきれいでした。ベルトに装着できる専用のケースもとても使い勝手がよく、今見ても秀逸です。
Motorolaの歩みにはファンの思い入れが詰まっており、ブランドが途絶えないことを願うばかりです。