同時多発テロから10年という節目を迎えるにあたり、再発への懸念で世界中が緊張していました。
そんな中、NBC Newsの公式Twitterアカウントが乗っ取られ、グラウンドゼロ(旧世界貿易センタービル跡地)に航空機による攻撃があったと投稿されました。
今回の事件に関わったとされるハッカー集団は、去った7月には米Fox NewsのTwitterアカウントを乗っ取り、オバマ大統領暗殺のデマを投稿しています。
残念ながら、ネット上ではこのような悪意のあるデマが流されることが少なくありません。Twitterはその手軽さゆえに情報の真偽が十分に精査されないまま広がる傾向が指摘されています。
Twitterに限ったことではありませんが、ネット上の情報を取り入れる前に、またそれを他の人に伝える前に、その信憑性を確認しなければなりません。
とりあえず以下の3点を注意するだけでも効果が出るはずです。
1.発信元が明らかであること。
2.情報源が明らかであること。
3.拡散希望系はいったん保留。
(善意であっても冷静さを欠く場合が少なくないため)
しかし今回のアカウント乗っ取りの場合、上記の1,2を既にクリアしていたことになり、それを見た人が拡散する情報も信憑性の高いものという判断になってしまうため大変やっかいな事件でした。
この度は、誤報の数分後には管理責任者による別アカウントからの投稿があり、「公式アカウントが乗っ取られているので誤報を拡散しないように」という警告が発信されました。この投稿を見たり、または他の信頼できる情報筋からも確証が取れるまで待つならば誤報に荷担せずに済みました。やはり冷静に情報を精査することは必要といえます。
今回の誤報は大変ショッキングなものでしたが、内容が内容だけにすぐに真偽が分かり大きな混乱には至りませんでした。
しかし真偽が見分けにくいものも少なくありません。情報発信者の思想、目的まで思考することが求められることもあります。
ネットで情報収集できるのは大変便利ですが、偏りのない情報収集能力+そこから真偽を見分ける力が求められるシーンも少なくないことを自覚しておくことは重要といえるでしょう。