サイバー刑法成立

Categories: ITtimes, ITなニュース, セキュリティ  2011/6/20 月曜日

先週(6/17)、「ウイルス作成罪」の新設を含む刑法改正案が成立しました。

これまではコンピュータウイルスの作成行為等を直接罪に問うことができず、世間を大きく騒がせるレベルのウイルス被害に関しても何だか回りくどい罪名で牽制するしかありませんでした。

今後は、ウイルスを作成・提供する行為に3年以下の懲役または50万円以下の罰金、取得・保存行為には2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるようになります。

この種の問題は、おもしろ半分や技術誇示が主な目的と言われてきましたが、近年では産業スパイ、窃盗、詐欺といった犯罪行為が主流となっています。もっともおもしろ半分であったとしても、行き過ぎた行為により実際に被害が出てしまっては笑い事ではありません。より強力な牽制の枠組みが迫られていました。

しかしながらサイバー刑法に関しては不安の声もあります。

例えばバグ(プログラム上のミスや欠陥)の問題があります。
プログラミングの過程で誤ってバグを発生させることは珍しくありません。このバグにより重大な問題が生じた場合はどう扱うのかという疑問があります。当然そのケースは考慮されていて、「故意犯でないので該当しない」となっています。では重大なバグが発見された後にもそれを放置することはどうか?その時点からは故意の範疇ではないのか?といった議論もあります。中には「この法自体にバグがある」という辛辣な意見も・・。

また、ウイルスを作成していないかどうか調べるために行き過ぎた調査や不当な監視が行われる可能性も懸念されています。

色々と解決していくべき課題がありますし、正しく行使されていくよう皆が注視する必要もあるでしょう。効果を発揮することを願っています。

詳しくは法務省のQ&Aをご覧ください。


Author: Jun
アイティーアシスト代表 ワクワクするようなIT活用をご提案します。

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