発展させたいソフトのライセンス制、そして縮小する中古市場

Categories: Apple, ネットワーク, ビジネス  2010/12/13 月曜日
価格22万! Adobe CS 5 Production Premium

価格22万! Adobe CS 5 Production Premium

先日使用しているフォントのライセンス年間更新を行いましたが、けっこうしっかりとした金額設定のため、更新をするかどうかで1ヶ月以上躊躇してしまっていました。

その分しっかり使えば良いのですが、5万円あまりの年間更新料は他のソフトウェアと比較してみても結構高額。
そのフォントを使用しなければ、過去の制作データの再利用もできなくなり、実質メーカーに仕事が縛られているようなものです。

このフォントは期限が来るとオフラインでも使えなくなるデキた製品ですが、ネットが行き渡った今の時代、ソフトウェア、アプリのビジネスモデルが代わり、この業界図も変化の途上にあるのが分かります。

とくに今まで活況を見せていた中古市場の存在がもう変わってきているのではないかな、と思います。

ソフトウェア中古市場の入る隙間

Appleが最初にOSを市場に出した時、OSは事実無償でした。かたやMicrosoftはソフトウェアベンダーのためしっかりと価格設定をしてきましたが、Mac OSはAppleのハードウェアを売り活用するためもの。
その頃から今のアプリ販売モデルの布石ができていたのかもしれません。

活況を見せるiPhone、iPadのアプリ市場では、基本的にアプリの二次販売、また中古販売という考えが想定されていないように思えます。
開発元→App Store、→ユーザーで完結できます。
ソフトウェアはバージョンアップによって更新されていき、ユーザーは常に新しいものを必然的に使う。
シンプルで益の大きなものであり、基本的に過去のバージョンが再販されたり、ユーザー間で取引ができないため、不正コピーも防止されます。

いままではソフトは「売り切り」だったため、使わなくなったソフト、使いづらかったソフトを転売したりというやりとりができましたが、その市場自体がせばめられてるわけです。

全く中古市場がなくなるわけではなさそうですが、みなさんはどちらが理想ですか?

高額ソフトウェアはサブスクリプション制に移行してほしい

Adobe CSシリーズの価格設定も、まあたいしたものです。上記のフォントメーカー同様、他を寄せ付けない代名詞となってしまっていると、価格競争が起きないためでしょうか。
十万円単位のソフトが、約1年半の割合でアップグレード版が発売されており、同梱されていてもあまり使わずになんてこともあると舌を巻いてしまいます。

この故にアップグレードせずにずっと古いものを使い続けて、という制作屋さんがどれだけいることか。おかげで業界の技術的な発展や伸張も鈍行なものになってしまいます。

DTPtransitにもこうした提案が啓蒙されていました。

Adobe CSは、そろそろサブスクリプションに移行すればいいのに -DTPtransit

サブスクリプション(定額制)への移行が必須だと考える。つまり、毎月定額の支払いによって、常に最新版を使えるというもの。ユーザーの利便性を大きく損ねるバージョン互換問題、また、継続的なバグフィックスによって、より安定した製品を使えるというメリットを享受できるはずだ。

ユーザーの気持ち

バージョンが変わったことを知らしめるために、イタズラにUIを変更しないで!

デモ映えする派手な機能よりも、ちょっとした修正の方が、日々の仕事にはダイレクトによい影響がありがち

そのバージョンのバグフィックスは早々に打ち切られ、修正は次のバージョンに… でも、”デモ映え”しないような機能は、さらに先送りされる… 全員がバージョンアップするわけではないんです。

自分が使っているバージョンに手を入れて欲しい

バージョンアップのサイクルが短すぎ:1.5年は「やっと手に馴染んだ」と思えるタイミングなんです..

Suiteで購入しても、まったく使わないアプリがあるんだよね…

サブスクリプション制、安価な年間更新にすると予算もたてやすいし、ソフトウェアビジネスのストリームに乗った、ウェブの実質的な発展にも寄与するのでは、と思います。

質が試されていくハードウェア

ユーザーが購入する際、中に入るソフト、アプリによって選び分ける形でなくなるため、入れ物のパソコン、モバイル機器の質や機能が今後試されるのではと思います。

いままでももちろんこのソフトが使いやすいレベルのパソコンを、といった選択もありましたが、OSやスペックに依存していたのは事実であり、昨今部品の質や信頼性も向上したためスペックの格差は大きくありません。

しかし「このパソコンでなきゃダメ」というこだわりが少なくなるため、買い替えの頻度が増していくかもしれません。


Author: mirai
パソコン修理、保守担当。 技術を磨くため毎日修行中。 今までに対応したトラブルなどをサポートログに書いていきますので、ぜひご覧になってください。

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