プロ向けグラフィック編集ツールのデファクトスタンダード、Adobe Photoshopが2010年で20周年を迎え、記念のサイトが公開されています。
Adobe Photoshop 20th Anniversary
特色はPhotoshopの誕生とその後Adobe社から発売された1995年、そして現代までの年表。
その当時の社会情勢やパソコン界隈の進展とともに、Photoshopがどのように発展してきたかを知ってみると、時代の求めるニーズに最大手としてどう対応してきたかが読み取れて面白いです。
インターネットが1991年に生まれ、広がりをはじめたのが1996年前後。その頃には世界初のデジタルカメラが登場しています。
Photoshopはその頃バージョンを4.0とし、スキャナやデジカメからのインポート機能やウェブサイト作成をふまえた加工の機能を装備。こうした機能はプロの写真家からの支持を集め始め、デジタル革命が加速をはじめました。
それが広がりを見せた1999年、ファミリー製品ImageReady登場, そしてPhotoshop5.5にてウェブ用に最適化した保存、アニメーションGIF作成機能も。これの貢献もあってホームページ作成がブームを迎え、多彩な楽しいサイトがどんどんと登場しました。
おかげでぼくらもシゴトが生まれてきてるという事情も。
デジタル技術がヒトの性悪説を肯定するような方向へ進んでいくと、CS3にてちゃんとオンライン認証をかっちりさせてきました。
そしてライセンス性の導入によってユーザーを逃がさないように、という政策も。
今後のPhotoshopの展開は?
現在のバージョンはCS4、そしてCS5の開発が行われていると聞こえてきます。
用途からいうと、Photoshopが今までのように印刷、デジカメ画像の加工以上に求められる分野が増えてきています。iPhoneなどいろんなデバイスへの対応、3D画像の作成、ブラウザベースの編集、ディスプレイマルチタッチ技術の応用など。
これらはPhotoshop以外のソフトが対応してるものですが、Photoshopでもある程度できるようになるんだろうな、と予想できます。
Macでは、OS Xの進歩が10.4でインテルベースへ移行し、そして10.5で32ビットと別れる足がかりを行い、そして10.6にて64ビットに完全移行し、これをベースとしたソフトウェアの導入準備が整いました。GPUもどんどん強化されているため、こうしたプラットフォームに最大限対応した製品になるんでしょう。
けれどCS5の機能を本気で使うと、「失業者がでるレベル」になりそう。
風化した建物をもとの状態に簡単に戻したり、写真の人物を回転させたり、背景を自動的に作り出したり・・
今のアメリカのドラマの収録は室内で行い、別撮影した背景と合成しているといわれてます。
何を使っているかまでは調べてませんが、コッチ方向にPhotoshopも進まざるを得ないんではないかと。
Photoshopはグラフィック業界の雄としての責任を持って、時代の求める方向に合わせて先を進んでいるのが分かる。
いわば先を進んでいるプロにちゃんと合わせている、と分かる。
それほど基本機能は変わらないんでしょうから、肥大化しすぎて扱いづらくなってる機能をもっと分かりやすく、使いやすく(そして価格も安く)なってくれるとありがたいとは思いますが、最前線の求めているレベルからするとどんどんと手が届かない技術が入ってくるのが予想できます。
トヨタと同じで、イチバンというのは何かと批判の対象となりますが、その高い金額分責任を果たしてる、というシゴトを今後も期待してます。