前回の続きです。
世界中のPCの約90%は、Windowsだと言われています。
Microsoftは、OSを支配することに成功することで、これまでのソフト会社とは全く次元の違う会社になりました。
Windowsが普及すればするほど、開発されるソフトウェアもWindows向け、周辺機器もすべてWindowsでの利用を中心に設計されるようになりました。これらの資産を活用するためにもOSはWindowsでなければならず、Microsoftの地位は加速的に揺るぎないものとなっていきました。
あまりにも強大なので、すべてを独占しているというイメージもありますが、Microsoftは基本的にソフト屋です。サーバーからモバイルまでの幅広いOSや、Office製品等のビジネスソフトで主な利益を上げています。
Microsoftをソフト屋と呼ぶのであれば、一方のGoogleは広告屋です。優秀な人材が独創的なアイデアを惜しみなく発揮しているユニークな会社ですが、収入のほとんどは広告収入、つまりこの会社は広告会社として成り立っているといえるわけです。
ソフト会社と広告会社ならうまく住み分けできそうな感じもしますが、なかなかそうもいかないようです。
GoogleはMicrosoftに挑戦し、結果として両者は同じようなサービスを競って提供しています。
いくつか列挙しようと思ったのですが、とても分かりやすくまとめているサイトがありましたのでリンクさせていただきます。
これまでは、躍進するGoogleがMicrosoftに挑み、既存の枠組みを打ち壊していくという構図ができあがっていました。しかしMicrosoftとしても、独占禁止法をちらつかせられるよりも、良いライバルの挑戦を受けながらビジネスを進めていく方がメリットが多いという考え方もあり、なかなか絶妙なバランスの上に成り立っていました。
ところが既に両者はお互いの聖域に足を踏み入れつつあります。Googleはこれまで無料で多くの便利なサービスを提供してきました。これによりMicrosoftも自社のサービスを充実させたり無償化する必要に迫られてきました。しかし、Googleが無料でオフィス製品を提供し、ついにはOSにまで進出してきたとなると話はこれまでとはわけが違います。さらにGoogleが目指す世界は過去の資産に依存しませんので、Microsoftとしては足下がおぼつかなくなります。
ここにきてMicrosoftが本気で対抗するための手を打ち始めています。
まずは「Bing」です。これでネット検索のシェアを奪おうとしています。さらにはOfficeの無償提供の動きも出てきました。
ユーザー側から見ればやはり競っていただくのが健全で、恩恵も受けることができますので大歓迎です。
Microsoftが本気になったことで今後どう進展していくのか注目しています。