企業は、PCを従業員に与え、資本投資、管理を行ってきました。これが各企業にとって、事務作業の煩雑さを生みだす結果になってきています。
たとえば、パソコンをリースで購入した場合、会社の財務部門は管理会計を行うにあたって、部門やプロジェクトごとに必要な費用を計算するとともに、組織の組み換えを行う度に再計算してきました。すでになくなった部門やプロジェクトの分も計算し直したりと骨の折れる作業です。リース料であってもオンバランス化をするケースもあります。またシステム部門も各社員個々の要望を聞き、見積りを取り、調達し、セットアップを行い、ライセンスを管理し、調子の悪いPCを修理し、データ消去と廃棄したりと雑務に追われています。盗難対策やウィルス対策などもすべて会社側で行う必要があります。これらの作業は、人手不足の中、正直限界を感じている企業もあるでしょう。
コンピューターが一人1台でなかった時代はそれでもよかったでしょう。しかし、業務が多様化し、勤務する場所も社外に広がり始め、契約単位あるいはプロジェクト単位で働く人が増えている中、実情にそぐわなくなってきているのも事実です。またパソコンの価格が下がった結果、プライベートでもパソコンを日常的に所有し利用しており、会社での業務を自宅に持ち帰り、自分のパソコンで引き続き、業務を行う事も珍しくありません。
こうした多様化の中、会社のコントロールが及ばなくなってきており、下手な規制はかえって、業務効率を下げるなどの問題を生み出す事もあります。この問題にどう取り組んだらいいでしょうか。
こうした中、各社員に会社からPC購入の為の支援金を出し、パソコンを個人所有にするという会社があります。たとえば、年間10万円を給料として支給し、ハード、ソフトウェア購入及びサポートの費用をそれから捻出するというものです。自由に購入できるとはいえ、一定の仕様は備えたものでなければならないこととします。また同時にメインテナンス5回分の権利を与え、それを超えた場合は、自分で修理するか、誰かに有償でお願いする事になります。
(ソース:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070420/269070/?ST=biz01)
つまり、自己管理にして、個人所有の携帯電話や車と同じ扱いをするというものです。
某大手外資系メーカーに勤める私の知人の会社もだいぶ前からpc購入を支援するこの種のシステムを採用していると聞いた事があります。なんでも、その方が、従業員がパソコンを大事にするとか。
もうひとつの選択肢はレンタルパソコンです。リース会社など、一部取り扱っています。多少割高なのがネックですが、オフバランス化を図れることと、自由度が高いことが利点です。
情報漏洩の問題はありますが、個人所有でも会社所有でもこれは起こりうる問題ですので、情報それ自体の管理の問題があるといえます。暗号化などの技術に関しては今後取り上げていきたいと思います。
中小零細を含め、パソコン資産の管理には財務・パソコンの調達から廃棄までのサイクル・情報漏洩・セキュリティーなど、様々な要因を含んでいます。効率的な運用をする上で、なにか疑問を感じることがあれば、遠慮なくおたずねください。