米国で2008年に会社を辞めたり、解雇されたりした従業員1000人を対象に実施した調査によると、回答者の59%が顧客リストなどの社外秘情報を持ち出したとの事です。
持ち出した情報は電子メールアドレス一覧、従業員情報、顧客情報など。持ち出しの形態の割合はCDまたはDVDへのコピーが53%、USBメモリへの保存が42%、自分の個人メールアカウントへの送信が38%を占めています。ちなみに情報持ち出しを認めた従業員のうち61%は、勤務先に対して良い印象を持っていなかったそうです。
回答者の82%は、辞めるときに勤務先から書類や電子文書を検査されることはなかったと回答、辞めた後に会社のコンピュータシステムやネットワークにアクセスしたとの回答も24%に上ったとの事なので、各企業は管理体制をチェックする必要がありそうです。
ちなみに、個人情報を持ち出した(盗んだ)場合、どのような社会的制裁があるのでしょうか?
個人情報の保護に関する法律が制定されていますが、この法律は事業者に対して個人情報漏洩それ自身に対する直接の刑罰はなく、個人情報取扱事業者の主務官庁による中止・是正措置の勧告がなされ、従わない場合または要求された報告をしない場合には刑罰(6か月以下の懲役、又は30万円以下の罰金)が課される事になっています。
ただし、情報漏えいを原因とした損害が発生した場合は民事上の責任を問われる場合があります。退職社員によるものではありませんが、ジャパネットたかたの従業員による個人情報持ち出しの事件の場合、この従業員に対して1億1千万円の損害賠償請求が下されました。
たとえ、円満退社でなくても、きちんと社会のモラルを守り、情報漏洩の加害者にならないようにしたいですね。