ミスプリントなどのコピー用紙を、裏紙として再利用することは経費削減に有効でしょうか?
企業対象のアンケートによりますと、経費削減という意味では効果は少ないようです。
裏紙を活用している企業は、安易に印刷を行う(無駄な印刷やミスプリントが増える)傾向があるそうです。これでは本末転倒です。
また、社外秘あるいは部署外秘の資料などが裏紙として流出するのを防ぐためには徹底した管理が必要です。さらには、表裏を間違えて業務にミスが生じるケースも懸念されます。かかる分類作業や確認作業の人件費と比較するとメリットは少ないというのが実情のようです。
ハード保守を行っている立場から申し上げますと、裏紙の使用は機器のトラブルを招く要因ともなります。
まず代表的なものがホッチキスの外し忘れです。即故障につながる問題ですが、見落としやすいので注意が必要です。少し技術的な話になりますが、コピー機やレーザープリンタでの再利用の場合、溶着や定着オイルに関係する不具合(印刷済みの用紙に定着されているトナーやオイルが再度加熱されることによって生じる不具合)が起こる場合もあります。
しかし最近の機種は以前に比べてトラブルが起こりにくくなりました。(両面印刷対応、定着オイルを塗布しない、感光ドラムに直接用紙が触れない構造に変わったため)
それでも総合的に言って、人件費や機器メンテナンスの観点からはデメリットの方が多いような印象を受けます。
経費削減ではなく、「資源を大切にする」という視点で、情報漏洩の問題がない裏紙を選別し、メモ用紙など手書きの用紙として再利用する、この辺りがよいのではないかと思いますがいかがでしょうか?