2011年までにはテレビ放送が「アナログ」から「デジタル」に切り替わります。
デジタル放送に切り替えることで得られる大きなメリットは、映像の質の向上です。デジタル放送ではテレビ局から届けられる映像の多くが「ハイビジョン映像」となります。
ハイビジョン映像は、一般的な標準(SD)画質に比べて、格段に美しく鮮明ですが、同時にデータ量も莫大となってしまうため、アナログ放送では限界がありました。
しかしデジタル放送にすると、圧縮して送信することができるため、ハイビジョンでの放送が容易にできるようになります。
しかし映像を残すという点では問題もありました。例えばハイビジョンチューナーを搭載したDVDレコーダーでもそのままの画質で保存することはできません。これは現在のDVDの規格によるものです。さらに言えば、仮にDVDにハイビジョン映像を録画できたとしても記録時間は地上デジタル放送で40分弱、BSデジタル放送で30分弱です。これでは一番組も保存できません。
ここからブルーレイディスクの登場です。ブルーレイは片面一層タイプでも25GBの容量を誇ります。これなら地上デジタル放送で3時間以上、BSデジタル放送でも2時間以上の記録時間となり、一般的な番組なら一枚でカバーできるようになりました。
前回取り上げましたように、この大容量化はトラックピッチを小さくすることで実現しています。ブルーレイディスクに使われるのは「青紫色レーザー」。光の波長は赤から紫へ向かうほど短くなります。この短波長と特殊なレンズでさらに絞り込みをかけて驚異の大容量が実現されています。
ちなみに青紫色レーザーは可視光線の中では最後の波長となり、ディスクの原理そのものを変えなければこれより短い波長は使えない、つまり家庭用光ディスクの最終形態と言われています。
とはいえこれまでも最終形態と言われたものが、画期的な発見やアイデアでさらなる進歩を遂げたことが数多くあります。光ディスクは今後どうなっていくのか見物です。
しかし現時点では十分すぎるブルーレイディスク、今はその恩恵を十分に味わってみましょう。
パーツ講座過去記事