2010年末の世界を翻弄する時事ニュースとして、内部告発サイトのウィキリークス問題があります。
サーバー排除、資金源も遮断=ウィキリークスに世界で圧力―米公電流出 –Asahi.com(2010年12月6日)
大量の米外交公電を公表し、米政権と世界の外交当局者を震撼(しんかん)させた内部告発サイト「ウィキリークス」に対する圧力が、世界規模で高まっている。ウィキリークスへのサーバー提供排除に加え、世界有数のネット決済システム「ペイパル」(カリフォルニア州)がウィキリークスへの寄付金の送金業務を停止したことが4日、分かった。ウィキリークスは運用資金を寄付に依存しているだけに、送金ルートの一部が遮断されたのは痛手だ。
米国での活動を抑えるため借りていたAmazonのサーバから締め出されると、言論の自由への認識の高いフランスのサーバOVH社へ拠点を移動。
フランスでも政府を中心に排除の動きがあります。
そして今回は資金源である寄付のルートを断つため、動きがあるようです。
その間も大規模なサイバー攻撃を受けつつも、固い信念の元活動は続いており、今まではオフラインにて、つまり実際に新聞やテレビ、また実力によって行われてきたレジスタンスがネットの上でも現実となってきました。
ウィキリークスの公開されているデータ自体は数GBもないものですが、その威力は国を揺るがすものがあります。
この中で見えてくるのは、データを配置するサーバをどの国の、どのサーバ会社へ依頼するかということ。
国によりそして会社によりポリシーは異なり、またサイバー攻撃への抵抗力や負荷コントロール能力が試されます。
小さな個人のブログが受ける影響も小さくないですが、日々利用するクラウドサービスに被害が及ぶ可能性は大きいと言えます。
例えばGoogleの同期サービスやevernote、ファイル共有のDropboxといったサービスもクラウドサーバを利用しており、自社サーバだけでなく大手サーバ会社にも維持を依頼しています。
同サーバやネットワーク内のサイトやサービスが攻撃を受けると、余波を受ける可能性もあります。
いままで映画やSFドラマで見てたような政府対抵抗勢力、そして翻弄される周囲という図式がネットの中でも展開されていくのは興味深いとはいえ、セキュリティの重要性を認識させられます。
そしてサービスやサーバの適性を選ぶのことの大切さも。
クラウド技術が広く浸透するにつれ今後も活発になるネット上の戦争、ローカルでのデータ管理の大切さは皮肉にも増してくるかもしれません。