停電に備えてサーバーにUPS(無停電装置)を取り付ける際、選定にあたっていくつか注意点があります。
例えば、HP(ヒューレットパッカード)パソコンの電源ユニットの項目には下記の様な注意書きがあります。「このシステムは、効率性に優れた Active PFC 電源を利用しています。Active PFC 電源ユニット (PSU) には、正弦波の近似波形や方形波、準方形波ではなく、正弦波出力のユニバーサル電源ユニット (UPS) をご使用ください (UPS 技術仕様を参照)。出力タイプについてご不明点などございましたら、製造元にご確認ください。」
PFCとは、Power Factor Correction の略で「力率改善回路」のことを言います。高調波の発生を抑制する効果があり、ヨーロッパでは規制で義務づけられている様です。このPFC搭載の電源を使用している場合のUPSの電源の波形は、左側の正弦波出力である必要があります。
通常ちゃんとしたメーカーのものであれば保護回路がついているので、ちまたでいわれている程、機器の故障のリスクを神経質に考える必要はなさそうです。しかし、PFC電源に矩形波のUPSを使用する事はあくまで非推奨ですので、負荷が大きくなる場合に備えて、少し余裕のある出力容量の確保と動作確認の必要があるでしょう。とはいえ、HPの様に注意書きがある場合はPFC 電源にあえて矩形波形のUPSを使う事はせず、正弦波のUPSを使用した方が無難でしょう。
ちなみにActive PFC は電力供給側の都合で作られた電源効率を高めたシステムですので、環境への配慮にはなりますが、電気代は変わらないようです。